こんにちは。
今週は朝井リョウさんの長編小説「スター」を読みました。
朝井リョウさんは現在(2023年)33歳。
何なんでしょうこの人。
Youtuber やら、インフルエンサーやら、
オンラインサロンやら、
めまぐるしく移り変わっていく現代時代にうごめく
表現したかったり、金儲けをしたかったりする
仕掛け人なども描きながら、
昔ながらの映画人たち、料理人も同時に描いてゆく。
この小説の主人公は
大学時代に新人の登竜門となるフィルムフェスティバルで
共同監督の作品でグランプリを受賞するふたりの男性。
大学卒業後、
ひとりは、質のよいもの作りを求めて、著名な映画監督のもとに
監督補助としての仕事を得る。
もうひとりは、己の感性のまま、気に入った映像を撮り、
Youtubeで評価されてゆく。
ふたりの仕事や生活を対比させながら物語は進む。
作品の質にあくまでもこだわるか、
質はある程度妥協して、再生回数や、視聴回数を優先するか。
自分にとって譲れないところはどこなのかを
考え続ける主人公たち。
すごいなぁと思うのは、33歳の朝井リョウさんが
65歳の映画監督や、スクリプターの女性に語らせる言葉たち。
特に、映画監督の言葉やふるまいにしびれました。
作品中いろんな「スター」が出てくる。
往年の映画俳優、Youtubeの料理人、プロボクサー、
インフルエンサー、女優、オンラインサロンの主催者、
主人公のふたりも映像作家のスターの卵かもしれない。
と思いながら読んでいきました。
さてその結末は?
「スター」とは何か?
現代社会をとりまく環境をすごく考えさせられる小説です。
それでいてとても面白い物語。
おすすめ。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。