土曜コラム

土曜コラム 今週の読書 伊与原新 理工系短篇小説集 「月まで三キロ」 感想

rock

こんにちは。

今週は伊与原新さんの書かれた短編小説集「月まで三キロ」を読みました。

伊与原新さんの小説を読むのははじめてです。

本屋さんで平積みで売っていたので買ってみました。

「月まで三キロ」は新田次郎文学賞他、たくさんの賞を受賞しているそう。

読んでいて面白いなぁと思ったのは、

地学というか、地質学というか、宇宙物理学というのか

なにやら、理工系の登場人物や知識が盛り込まれていること。

6篇の短編小説なのだが、

  1. 元理科教師
  2. 気象庁技術専門官
  3. 自然博物館元館長
  4. 国立環境研究所所員
  5. 高エネルギー加速器研究機構所属の研究者
  6. 火山研究者

といった登場人物たちが

  1. 月の自転周期
  2. 雪の結晶
  3. アンモナイトの化石
  4. 堆積物の年縞
  5. 素粒子
  6. 苦鉄質包有岩

などといった普段あまり耳にしない言葉をつかいながら

物語を進めていく。

だからといって、難解で読みにくい訳ではなく、

興味をもって読み進めることができます。

ゆるよし
ゆるよし
なんだか理系な小説!

 

読み終わってから知ったのですが、作者の伊与原新さんは、

神戸大学理学部地球科学科卒業後、東京大学大学院で理学系研究科で

地球惑星科学を専攻。

博士課程修了後、大学勤務を経て、小説家になったそう。

なんか、すごい経歴でゴリゴリの理系の人ですね。

ゆるよし
ゆるよし
なるほど!

と納得しました。

 

普段、自分の生活と接点がなく、

聞いたこともなく、考えもしないようなことを、

考えたり研究したりしている人たちの思いや、

知らなかった言葉の意味を知ることができて

とても面白かったです。

 

もちろん、登場人物は理系の人だけではありません。

ごく一般のOLさんや、主婦や小学生などと

理系の人が出会うことにより起こる化学反応のようなものが

小説として、とても面白いと思いました。

文系のひとにも理系のひとにもおすすめ。

 

それではみなさま、よい週末をお過ごしください。