こんにちは。
今週は朝井リョウさんの「発注いただきました!」を読みました。
朝井リョウさんの作品は好きで、小説もエッセイもよく読みます。
今回の「発注いただきました!」は、本屋で見かけて、
その表紙から
と思って購入。
「重版出来!」(じゅうはんしゅったい)は読んだことないのですが、
テレビドラマでちらっと見たことあり。
(今少し試し読みしました。漫画だったのですね。面白そう。)
と思いながら読みはじめたのですが、
編集のお仕事小説ではありませんでした。
朝井リョウさんが今まで企業などから受けてきた、
小説やエッセイの
お題→発注内容→作品→作者本人による作品の解説
といった、今までみたことのない構成。
めちゃ面白いじゃないですか!
依頼してくる企業さんからの「お題」に対して、
朝井リョウ氏がどんなひねりの効いた「答え」を出すのか。
そして、その「答え」を出した後、作者がそれを
どう「評価」したのか。
企業が出してくる「お題」も面白いし、
朝井氏の「答え」も面白いし、
朝井氏の「感想」もさらに面白い。
と、お笑い番組の「IPPON グランプリ」を観ている時の
ような気持ちで読みました。
結果、思っていた編集のお仕事小説ではなかったけれど、
「小説家という仕事」についての
見事なお仕事小説となっていました。
と思いました。
以前にも読んだことがあったのですが、
「作家の口福」の中の
カフェオレボウルの話がとても好きです。
小説では、硯職人の話「贋作」が非常に面白かったです。
贋作ほど豪華な額縁に飾られる。
他者から何かを奪い取ってまで、自分の額縁を装飾しようとする行為ほど、
浅はかなことはない。
自分をよく見せるためには誰かを犠牲にすることも厭わない姿勢。
とても感度の高いアンテナでキャッチした違和感を
言語化し、決められた文字数で小説化する朝井リョウ氏。
さすがです。
「発注いただきました!第二弾」を心待ちにしております。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。