土曜コラム

土曜コラム 今週の読書 小野寺史宜 連作小説集 「縁」(ゆかり)感想

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こんにちは。

今週は、小野寺史宜さんの小説「縁」(ゆかり)を読みました。

小野寺史宜さんの小説を読むのは3冊目です。

とても読みやすいし、とても公平な人が出てくるので

最近注目しています。

本屋さんに読んだことのない小野寺作品が数冊

平積みされていたので買ってみました。

本のタイトル「縁」「ゆかり」と読みます。

韻を踏んだタイトルの短篇小説が5つ。

霧 -KIRI-

塵  -CHIRI-

針  -HARI-

縁  -HERI-

終  -OWARI-

主人公はそれぞれ違うけれど、登場人物がうっすらと繋がっていて

とても面白かったです。

 

最初の「霧」に出てくる男性が、

真面目で、まっすぐで、弱くて、公平で、

すごく共感しました。

小野寺氏は、自分自身に誠実であろうとする人を描くのが

とても上手いと思う。

 

二話目の「塵」の主人公は28歳の女性。

自分のことはすべて棚に上げて、人のことを糾弾するタイプの女。

最悪な女

足るを知らず、人のものでも

私が手に入れていたかも知れないのに。

私の方が相応しいのに。

などと、勝手に思う女。

ゆるよし
ゆるよし
ちょっと痛い目に遭えばいいのに。

などと、黒い心でつい思ってしまったのだが、

小野寺史宜さんは、そんな女にも

悪くない結末を用意している。

ゆるよし
ゆるよし
いい人なんだろうなぁ~。

正しくありたいのに、どうしても間違ってしまう

弱い人間に、最後のところで踏みとどまらせる。

不思議な人と人との「縁(えん)」によって

ギリギリの「縁(ふち)」で踏みとどまることができる話。

上手いなぁと思う。

おすすめです。

 

それではみなさま、よい週末をお過ごしください。

おかずの田野倉
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