こんにちは。
今週は岸惠子さんのエッセイ集「孤独という道づれ」を読みました。
岸惠子さんは1932年生まれ。
現在(2022年)御年90歳でいらっしゃいます。
往年の女優さんであり、ジャーナリストでもあり、
小説家でもあります。
フランス人の映画監督とご結婚されて(その後離婚されていますが)、
40年以上パリで生活されていた方。
ゆるよしの印象としては、
パリの朝、マリーム入りのコーヒーを飲む
いつもキレイに髪を巻いているくちびるの形がハート型の女優さん
といったもの。
(ちなみに、ゆるよし的には、堺雅人さんのくちびるの形もハート型である。)
若くして大スターになり、それを捨ててフランスに渡り、
時々、「友情出演」といったかたちで、
ドラマの主人公の「パリで暮らす大好きな叔母さま」といった
美しい役どころを演じる、なにか
浮世離れした感じの別格な女優さんという印象。
高齢者の恋を題材に「わりなき恋」という
小説を上梓されたのは80歳の時。
「わりなき恋」はベストセラーになったそうです。
ゆるよしも「わりなき恋」は読みましたが、
パリに向かうファーストクラスの席で偶然隣り合った高齢の男女が
恋に落ちるという
といった小説だったのだが、まぁ、そこそこ面白かったかな。
浮世離れした妄想のような、高齢女子のロマンティック恋愛話の中に、
非常にシビアな高齢者のセックスについての医療関係の
アドバイスのようなことも書かれていて、興味深く読ませて頂きました。
「孤独という道づれ」は「人生の晩年」について書かれたエッセイ集。
85~86歳くらいの時に書かれたものです。
そのご年齢で、楽しく前向きな文章を書かれているのがまずスゴイ。
そして、出てくるエピソード、出てくる人物名も
といった感じで、驚かされる。
岸惠子さんのはじめての舞台はパリで、演出はジャン・コクトー。
(文庫本の表紙の写真もジャン・コクトーの絵ですね)
その舞台をたまたま見に来ていた三島由紀夫が大絶賛したとか。。。
アラン・ドロンとご近所づきあいをしていたとか。。。
のだけれど、とてもオッチョコチョイな一面もあり、
忘れ物やかん違いや住宅内事故も多い。
ロココ調の椅子に腰かけて雲の上で
マリーム入りのコーヒーを飲んで艶然と微笑んでいる
巻き髪の往年の女優
というイメージはかなりぶち壊されました。
ぶち壊されはしたけれど、やはり何か
特別な感じのする方です。
特別な品のある方です。
歳を取ってもこんなに若々しく生きられるのかと
読んでいて元気をもらえますし、
字が大きいのですぐに読めます。
おススメです。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。