こんにちは。
今週は穂村弘さんの読書日記「きっとあの人は眠っているんだよ」を読みました。
短歌を詠む歌人である穂村弘さんの読書日記。
穂村さんは古本屋さんをめぐることがお好きなので、
江戸川乱歩のような、ちょっと古い本を読んだ感想や
漫画や絵本、ミステリーを読んだ感想が書かれています。
自分は古本が苦手なので、ほとんどが未読の本の感想でした。
でも面白い。
自分が今いる世界とは別のどこかといったものに対する
あこがれが強く出ています。
考えてみれば、短歌というものも、日常の中のささいなことの中に
はっとさせられるような新しい視点を与えてくれる。
日常が日常でなくなるというか、それこそ、「世界の反転」が
起きることがあります。
現実とは別の「もうひとつの世界」を描いた作品が好きだ。
異次元へのあこがれ
ごく短い言葉でそれまでの世界像が組み換えられる快感
世界の終わりと始まりが反転する
別世界の乗り物めいた存在感
世界が覆るような感覚
別世界の匂いが充ちている
別次元の現実
ここにはふたつの世界があると思う
そのノスタルジックな別世界観にやられてしまう
パラレルワールド気分が盛り上がる
新しい世界が生まれる
世界像のズレ
リアルの線引きが更新されてしまった驚き
世界が揺らぎ続ける感覚そのものが最高のエンターテインメント
世界の反転を夢見る感受性
などといった言葉が随所に出てきて、
異世界・別世界に対する強いあこがれを感じます。
本を読む理由である。
読み終えた本を閉じて辺りを見回すと、
目の前には見慣れた光景がある。
けれども、そこは元いた世界ではない。
何かが決定的に変わっているのだ。
そう!その感覚を得たいがために、穂村さんは古本屋をめぐり、
自分は蔦屋書店をぐるぐるめぐっているのだと思う。
自分的には、本書で一番びっくりしたのは
桜(ソメイヨシノ)がすべてクローンだったということ。
これは一般常識なのでしょうか?
全然知らなかった!
そりゃ、いっせいに咲くよね。
おすすめです。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。