こんにちは。
今週は川上弘美さんの小説「某」を読みました。
川上弘美さんの小説は好きでよく読んでいるほうだと思います。
最近読んだのは「森へ行きましょう」
残念ながら、「森へ行きましょう」は合わなかったのですが、
今回読んだ「某」はとても好きなタイプの小説でした。
のっけから訳の分からない設定で、
人のかたちをしているが、人ではない「誰でもない者」が、
女子高校生になったり、男子高校生になったり
キャバ嬢になったり、サラリーマンになったり、
外国人になったり、肉体労働者になったり、赤ん坊になったり
変化しながら生きていくという長いお話。
たいへんに無理のある設定だと思うのだけれど、
普通にしっくり読み進めることができます。
どこか、違う世界に連れていってくれる系の小説。
大好物です。
川上弘美さんはお茶の水女子大学理学部出身。
高校で生物の先生をされていたという経歴もお持ちの理系のかた。
そういうかたが、文系のお花畑である小説で
このように豊かな世界を描かれるというのが素敵です。
文系の脳では思いつかないような設定や文脈が
ある気がします。
自分は、作家の出身大学とか経歴を見るのが結構好きなのだ。
先週読んだ伊坂幸太郎さんは東北大学法学部卒。
理学→文学も不思議ですが、
法学→文学も不思議な感じ。
いろんな人が、いろんな勉強をしてきて、
いろんな経験をして、
その上で書いてくれた小説を読める自分は本当にしあわせである。
こんなに楽していい思いさせてもらっていいのかと思うくらい。
「某」おすすめです。
暴力度は0です。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。