土曜コラム

土曜コラム 今週の読書 伊坂幸太郎 ふたごのダークファンタジー「フーガはユーガ」感想

shirokuma

こんにちは。

今週は伊坂幸太郎さんの「フーガはユーガ」を読みました。

伊坂幸太郎さんの小説はとても好きなのだが、

以前にも書いたように、最近の小説では

とても酷い人や暴力の人が出てくるので、

読むのが怖いです。

 

今回の「フーガはユーガ」は、ふたごの兄弟の入れ替わりを

描いたファンタジーものっぽかったので

読んだのですが、かなり酷い人々が次々に登場して

たいへんにしんどい部分がありました。

  1. 無抵抗な子供を暴力で虐待し続ける父親
  2. 暴力を見て見ぬふりをして蒸発する母親
  3. 同級生をいじめるクソガキ
  4. 姪っ子が苦しむさまを見世物にする叔父
  5. 子供をさらってきては殺すサイコパス

そういうサイアクな人々と戦うふたごの話なのだけれど、

ほんとうにイヤな気持ちになりました。

 

暴力とか、虐待とか、いじめとか、

世の中にあってほしくないものを

そういうものを読みたくない気分の時に

読まされてしまうのはイヤだ。

読むまでどの程度のイヤなシーンか分からないし。

ぼんやりテレビを見ていて、虫やら、おばけやら

見たくないものが急に映って、イヤな気分になるのと同じ感覚。

虫のどアップなんかが、8Kの鮮明さで画面に出てくると

発狂しそうになることがある。

最近のニュース番組では、

「この後、残酷な(?)シーンが出ます」とか

「津波のシーンが流れます」といった

テロップがあらかじめ付くことがありますが、

あれは親切だと思う。

それを見るか見ないか自分で選べるし。

 

映画のR指定みたいに、本にも

V指定(バイオレンス指定)を付けて欲しい気分。

誰が何を基準にして指定するのかは難しいけど。

V-0(暴力なし)~V-5(凄惨なシーンあり)

程度に分けてくれていると、

その時の精神状態やら、気分やらで読む本を選べるし。

多分、自分はV-3くらいまでの本しか読まない気がする。

 

「フーガはユーガ」は自分的にはV-4。

世の中には、もっと凄惨な内容の暴力本があるのかも

知れませんが、かなりキツかったです。

無抵抗な子供が、大人の理由なき暴力にさらされているのが

本当にイヤだ。

こどもがこどもをいじめるのもイヤ。

例え、それに打ち勝っていく物語だとしても。

 

無条件に楽しい読書をしたい方にはおススメできません。

 

それではみなさま、よい週末をお過ごしください。