土曜コラム

土曜コラム 今週の読書 山内マリコ 「あのこは貴族」 感想

お茶会

こんにちは。

今週は、山内マリコさんの 「あのこは貴族」を読みました。

 

山内マリコさんの著作を読むのは、はじめてです。

最近、なぜか、女同士のマウンティング的な内容の本をよく読むのですが、

こちらも、そんな感じなのかと思って買いましたが、

そういう話でもなかったです。

  1. 何不自由なく生きてきた、東京育ちのお金持ちの家のお嬢様
  2. 田舎の漁村から根性で上京してきて東京で自立してみせる女性
  3. 東京育ちだけど、海外に出て自立しようとする女性

の3人と、一見優良物件の良家のお坊ちゃんの男性のお話でした。

婚活やら、二股やら、結婚やら、そのあたりのお話。

 

主に①の女性の目線で描かれているのですが、

この女性、お金持ちのお嬢さんですが、鼻もちならないタイプではなく、

生まれ持ったその立場を、自然に受け止めており、

かえって、「自分にはこれといったものがない」と悩み、

誰かに守ってもらう生活を続けようと、婚活にいそしんだりします。

ようやく婚約できた男性には、腐れ縁の関係である②の女性がいたのですが、

そこで、ドロドロの修羅場があるわけでもなく、2人は待ち合わせて

お茶を飲んだり、アドバイスをもらったりと、なんだかなごやか。

女同士の義理といった話ですが、ファンタジー的ではなく、誰もが

格差をそんなもんだと認めていて、あっさりしている。

ド根性でそこを打ち破ろうとしたりしない。

 

文学作品というより、楽しい読み物でした。

山内マリコさん。

都会の生活と田舎の生活、どちらもよく観察されている方だと思いました。

もう一冊くらい読んでみようかな・・・。

 

今日もいい天気ですね。

それではみなさま、よい週末をお過ごしください。