こんにちは。
今週は、男性のお仕事小説アンソロジー「僕たちの月曜日」を読みました。
- 夏川草介 さん 主人公:医師
- 一穂ミチ さん 主人公:マスコミ関係会社員
- 古市憲寿 さん 主人公:テレビ局アナウンサー
- 彩瀬まる さん 主人公:主夫
- 小山 健 さん 主人公:会社員
による男性が主人公のお仕事短編小説(最後の小山健さんはマンガですが)です。
少し前に女性が主人公のお仕事小説アンソロジー「私たちの金曜日」を
読んだのですが、その男性版ですね。
編者は吉田大助氏。
お名前は知っていたけれど、すべて未読の作家さんです。
夏川草介さんは、「神様のカルテ」の作者であることは知っていたのですが、
嵐の櫻井翔さんのドラマも観たことがなかったし、医療ものは
あまり好きではないので、手に取ることはなかったのです。
本書の「ダリア・ダイアリー」もお医者さんが主人公ですが、
面白かった(好きな感じだった)ので
「神様のカルテ」も読んでみようかなと思いました。
古市憲寿さんは、テレビのニュース番組なんかのコメンテーターとして
お見かけしたことは何度かありますが、小説家でもあったのですね。
芥川賞の候補作「平成くん、さようなら」は本屋で見かけたことが
あったのですが、テレビの人古市憲寿さんと結びついていませんでした。
マンガはあまり読まない(買わない)ので別にして、
どの作家さんも、他の作品も読んでみようかなと思いました。
中でもいちばん印象に残ったのは、古市憲寿さんの書かれた
ガンで余命宣告をされた年老いた母親に
なかなか向き合うことの出来ないアナウンサーの男性(泰斗)の物語、
「彼は本当は優しい」の中の次の文章。
認めたくないことだが、泰斗は心のどこかで
母が少しでも早く死んでくれることを望んでいた。
母が死にさえしてくれれば、入眠時の不安も消えるだろうし、
姉と不毛なやり取りをする必要もなくなる。
気兼ねなく遠くの国へ出かけることもできる。
このような感情は、病気の家族を抱える人間にとって
ありふれたものなのだろうか。
それとも自分が極度に自分勝手でわがままなのだろうか。
その答えをわたしも知りたい。
それにしても、なんででしょう。
「お仕事小説」と自分で書いといて何なのですが、
「お仕事」という響き、なんかちょっと小馬鹿にした感じがあります。
「私たちの金曜日」解説で読んだのだったか、
働く女性を描いた小説は「お仕事小説」な感じがするけど、
働く男性を描いた小説は「お仕事小説」という感じがしないですね。
なんだか、悲壮感があるというか、軽やかな感じがないです。
男性がする仕事って、要らん責任感があふれる感じがあって、ちょっと
かわいそうですね。
などと言うと、
とか言って怒る人がいそうです。なんでやろ。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。