こんにちは。
今週は 津村記久子さん他の書かれたアンソロジー「私たちの金曜日」を読みました。
- 山本文緒 さん
- 田辺聖子 さん
- 綿矢りさ さん
- 恩田 陸 さん
- 桐野夏生 さん
- 津村記久子さん
- 有川ひろ さん
が、働く女性たちを描いた短編小説集です。
編者は三宅香帆さん。
田辺聖子さんだけが、読んだことのない作家さんでした。
他の作家さんより、かなり年齢が上なので、
今の時代と働き方が離れている印象でしたが、読み物としては
とても面白くて、また読んでみようかなと思わされました。
それにしても、やはり、津村記久子さん。
「お仕事小説」界では、自分的にはナンバーワンです。
掲載されている「おかきの袋のしごと」は
以前に「この世にたやすい仕事はない」という
連作短篇集で読んだことがあったのですが、
何度読んでもいいです。好きです。
仕事にのめりこまないように、距離を保つようにしようと思いながらも
「働いてお金をもらうこと」への責任感や達成感から
悪夢にうなされるまでずぶずぶに仕事にのめりこむ主人公。
そして、仕事に食い込んで来ようとする自分にとっての部外者への
憎しみ、すべてを放り投げてしまうことへのあこがれ。
仕事と愛憎関係に陥らないようにと戒められていたにも関わらず
のめりこんでしまい、そしてやけになっていく過程がとてもいいです。
また、津村記久子さんの小説に出てくる商品名や
キャラクターのネーミングセンスがとても好きです。
以前に読んだ「ディス・イズ・ザ・デイ」というサッカー小説に
出てきた、架空のJ2チームのマスコットキャラクター
「つつちゃん」にもしびれましたが、
今回の小説の中のおかきの名前
「ふじこさん おしょうゆ」。
「ふじこさん おしょうゆ」。
他にも
「BIG揚げせんいか&みりん」とか「うにあられ 大きめ!」。
「磯辺の梅」もいい。
いかにもありそう。
メジャーではない製菓会社にありそうなネーミングセンスがすごい。
津村記久子さん素敵だなぁ~。
もっと読みたい。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。