土曜コラム

土曜コラム 今週の読書 窪美澄 恋愛長編小説「私は女になりたい」感想

doctor

こんにちは。

今週は窪美澄さんの恋愛小説「私は女になりたい」を読みました。

バツイチ47歳の美容皮膚科医の女性が、薄毛治療に訪れた14歳年下の男性と

恋に落ちる・・・・

という なんだかなぁ~ な物語。

まぁ、恋に落ちてくれても構わないのだが、

薄毛治療で知り合い、

ちょっと一緒に飲みに行ったら、焼き鳥屋で飲みすぎて

道ばたで吐く男。

ないわぁ~。

 

どうも、主人公の美容皮膚科の女医さんを好きになれなかったです。

なんだかんだと自分を正当化する感じとか

自分のことは棚に上げて、他人を冷ややかな目で見て批判する感じとか。

 

主人公の女医が院長をつとめる美容皮膚科クリニックのオーナーが

美しいものを愛する老齢の男性なのだが、

その人の言葉が印象に残りました。

本当の美しさはネットには存在しない。

美しさをスマホのカメラで切りとってはいけない。

誰かの視線で物を見てはいけない。

誰かが風景から切り取った残酷な欠片を美しさと勘違いしてはいけない。

どんな美術展でも美術館でもいい。

少しでも多く足を運びなさい。

歌舞伎や能や文楽でもオペラでもバレエでもいい。

生でその美しさを君の網膜に直に焼き付けなさい。

美容皮膚科医は、いったい何がこの世で美しいものなのかを

考える哲学者でもあるんだ。

僕の言うことを聞きなさい。

君は一流の美容皮膚科医になるんだ。わかるか?

しかし、主人公の女医は、ちっともわかっていない。

何がこの世で美しいかなんてどうでもいいのだ。

やってくる患者が求める治療を、お金のためにするだけ。

 

元夫が要求してくるお金のため、

一人息子の学費のため、

認知症の母親を入所させている老人施設のお金のため、

自分自身を納得させて愛人契約的な関係をオーナーと続ける女医。

 

そして現れた薄毛の年下の男と恋に落ちるのだが、

その男の婚約者が暴れ出すと、世間体やら、クリニックの評判やらを

気にして勝手に別れる決意をする女医。

そして、魂がちぎれるよう に別れる女医。

 

ゆるよし
ゆるよし
どうぞ勝手にしてください。

 

そして、最後には、美を愛する老齢のクリニックオーナーも

ちっとも美しくなくなってしまうし。

ガッカリです。

 

47歳
47歳
これが私の最後の恋!

だそうです。

 

アラフィフ女子はこういうの好きなのだろうか?

47歳
47歳
最後にもうひと花咲かせたるっ!

てか?

 

なんか、大学生の一人息子がかわいそうでした。

それではみなさま、よい週末をお過ごしください。

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