こんにちは。
今週は阿川佐和子さんのエッセイ「いい女、ふだんブッ散らかしており」を読みました。
こちらの本、2016年から2018年頃に「婦人公論」に連載していたエッセイを
まとめたものだそう。
お父様の看取り、お母様の介護、
還暦すぎての結婚など
日常に感じたことを、すごくざっくばらんな感じで
書かれています。
「片付けられない女」だということが
頻繁に書かれていて面白い。
テーブルの上、そして床の上に物が溢れていく様子が
阿川さんは、悲しいことがあっても、その思いに沈んでいくのではなく
楽しかった思い出や、その中からでも、クスっと笑える
エピソードを見つけるのがとても上手だ。
あとがきで阿川さんはコロナ禍の2年間についてもこう書かれている。
それが不幸でしかたなかったとは思えない。
つらいことだらけと感じてしまう状況のなかにも、
必ず笑える瞬間はある。
ありがたいと感謝したくなるような光景は
いつも存在している。
読書印象画は、シクラメンの花。
シクラメンの鉢植えの再生についてのエッセイから。
「花」についてお坊さんから聞かされたエピソードについて何度か書かれている。
花は並んで咲いていても、互いに嫉妬したり侮蔑したりしない。
ひたすら自分の生涯をまっとうすべく、
他者の目も自分の不遇も厭わず淡々と老化して
そして命果てるのみなのだ。
他人と比べてばかりいないで、自分の人生を清々しく
明るく生きていけばいいのだ。
阿川佐和子さんのエッセイを読むと必ず感じる前向きさがある。
その考え方がとても好きです。
おすすめ。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。