こんにちは。
今週は伊坂幸太郎さんの小説「シーソーモンスター」を読みました。
「シーソーモンスター」は、伊坂幸太郎さんの呼びかけではじまった
複数の作家による共通ルールに則った競作企画<螺旋プロジェクト>の中の一冊です。
そのルールとは
- 「海族」と「山族」の対立を描く
- 共通のキャラクターを登場させる
- 共通シーンや象徴モチーフを出す
だそうです。
とりあえず、第一弾は朝井リョウさんや乾ルカさんなど
8人の作家による競作。
正直、伏線やら、モチーフやらを覚えておける自信がない。
なので、競作企画ということは置いておいて
1冊の小説(中編2作)として楽しむことにしました。
「シーソーモンスター」は昭和後期のバブル時代、
「スピンモンスター」は近未来の物語。
「シーソーモンスター」には、伊坂作品によく登場する、
人の信頼を裏切るとても悪い人
が出てきますが、耐えられる範囲でした。
「海族」と「山族」の対立が、嫁と姑の対立として
出てきますが、こちらは面白かったです。
「スピンモンスター」では、お互いに家族を
交通事故で失った男子小学生が、高校で出会い、
大人になってからも否応なく(対立するために?)
出会ってしまうという話。
「記憶」と「記録」のどちらが正しいのかという問いかけが
全編にわたって感じられました。
そして、「対立」。
変化がなければ、進化はない。
変化を起こすためには、かき混ぜる必要がある。
といった内容が、何度も何度もくり返し出てくる。
「対立」や「争い」「諍い」ではない方法では
「変化」は得られないものだろうかと何度も思わされました。
それにしても、、、
小説や映画でよく描かれている人工知能AIですが、
現実になってきた感がありますね。
「便利!」「すごい!」って言ってる間に
「人間いらないじゃん」ってAIに思われても仕方がない
未来が来るのかなぁ~。
もう、見届けるしかない。
「シーソーモンスター」とても面白かったです。
おすすめ。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。