土曜コラム

土曜コラム 今週の読書 西加奈子 短編小説集「おまじない」 感想

いちごとかたつむり

こんにちは。

今週は 西加奈子さんの 「おまじない」を読みました。

以前に書いた西加奈子さんの本の感想で

「いつも表紙の絵がガサついている」と書いてしまいました。

知らなかったのですが、表紙やイラストは

西加奈子さんご本人の手によるものだったのですね。

太宰治
土曜コラム 「サムのこと 猿に会う」こんにちは。 今週は、西加奈子さんの「サムのこと 猿に会う」を読了。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b....

意外と言うか、腑に落ちるというか、

ゆるよし
ゆるよし
そうだったんだー

西さん、ごめんなさい。

なんだか、雰囲気、「横書きのゴッホ」みたいな感じの絵ですね。

 

さて、こちらの「おまじない」、8つのお話の入った短編集です。

自覚的に大人が喜びそうなこどもっぽさを演じる子供。

自覚的に道化を演じるブス。

自覚的に「頼りになる女」を演じる38歳OL。

など。

まわりに「イタイ奴」と思われていることも

自覚しながら、敢えてその道を突き進んでいく。

西加奈子さんの小説には、自分自身を客観視できてなおかつ

求められる役割を演じ、そんな自分を嫌悪する という人が

よく出てくる。

自分劇場。でも上手くいかない。

でも、どこかで人と出会い、赦しを得られるというような

救いのあるお話になっているので、

読後感はいいです。

その人との出会いは、イチゴ畑だったり、ごみ焼却炉だったり、

旅先のバーだったり、ふと見たテレビ番組だったり。

ほんの偶然、すれ違っただけのような出会いでも

人は救われたり、自分を赦したり、気づきを得ることがある。

主人公たちと一緒に、読者も救われた気持ちになる。

西加奈子さんはそういうのがとても上手だ。

まだ読んでいない作品があるので、

これからも読んでいきます。

楽しみです。

 

今日は雨ですね。

外出自粛もあるので、家で読書するのがいいですね。

朗読を聞くというのもあり。

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それではみなさま、よい週末をお過ごしください。