土曜コラム

土曜コラム 今週の読書 ジェーン・スー 「生きるとか死ぬとか父親とか」 感想

GINZAWAKO

こんにちは。

今週は ジェーン・スーさんのエッセイ 「生きるとか死ぬとか父親とか」を読みました。

ジェーン・スーさんの本を読むのは初めてです。

ゆるよし
ゆるよし
どこの国の人や?

って思ったら、生粋の日本人(女性)です。

なんとなく、台湾とか香港の人なのかなというネーミングですね。

本屋さんでタイトルを見て、「面白そうかな」って思って買ってみました。

その存在を全く存じ上げなかったのですが、ジェーン・スーさん、

ラジオのパーソナリティーとかされているみたいで、

有名な方なのかも知れません。

 

他にも、「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」

「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」

など、面白そうなタイトルをつけるのが上手なかたですね。

 

今週読んだ「生きるとか死ぬとか父親とか」ジェーン・スーさんと

非常に女性の庇護欲をかきたてる男である父親との間の

愛情であったり、憎しみであったりが書かれています。

 

ジェーン・スーさんは、ひとりっ子。

母親をすでに亡くされているので、家族は父親とふたりっきりという

限界家族。

 

驚いたのは、両親ともにご病気だった時に、23歳のスーさんが

「私たちは三人家族なのだから。」

入ったばかりの会社を半年介護休職したというところ。

スーさんには、手を差し伸べてくれる親戚もおられるのですが、

ゆるよし
ゆるよし
ひとりっ子ってそういうことなんだ!

と、ひとりっ子にあこがれた3人兄弟の末っ子のゆるよしは

驚いたのでした。

 

現在、ゆるくも薄い介護をしているゆるよしは

あまり協力的ではない兄弟に対して思うところもありますが、

本当にひとりっきりで二人の介護をその若さで

(そうするしかないとしても)担うと決めたスーさんを

ゆるよし
ゆるよし
おとこまえな人や!!

と尊敬したのでした。

 

こちらの本を読む前に、

ゆるよし
ゆるよし
まぁ、なんとなくそんな感じの内容なんだろうなぁ。

って思ってたことがあって、それは

スーさん自身が書かれている次のようなことだ。

私には考えがあった。

子どものころにできなかった「親子らしいこと」をやるのだ。

大人になったいま敢えてそれをやれば、

思わず涙がホロリと流れ落ちるようなエピソードが

生まれるに決まってる。

つぶさに書き留めたら、そこそこ字数も埋まる。

しかし、なかなかそう上手くはいかない。

 

父親がまだ生きていて、自由奔放にふるまうということもあるし、

スーさん自身、まだ父親を許せていない部分もあるだろう。

 

ゆるよしは、勝手に、タイトルの「死ぬとか」

「父親の死」だと思ってしまっていたのだが、

本書では、母親と叔母さんの「死」について触れられています。

印象に残ったのは以下のところ。

通夜で叔母の遺影を見ながら、

たった三度の訪問を思い出していた。

最初に見舞いに行ったとき、私は草花の

塗り絵と色鉛筆を手土産に持参した。

退屈しのぎになるし、手先を動かすのは

認知症予防にもなるはずだ。

 

あの塗り絵は一度も塗られていない気がする。

塗る時間を共有するところまでが

プレゼントなのだと、

いまならわかるがもう遅い。

 

スーさんは信じられないくらい優しい心持ちと

とても激しい気性と両方持った人だと思いました。

どんな人も、優しさと気性の激しさの両方を持っているが、

スーさんはその振れ幅が大きい。

そしてスーさんは、はらわたが煮えくり返っている時でも

どこか頭の片隅で、そんな自分を観察する冷静さを持っている。

ものを書く人に欠かせない資質だと思います。

 

他の著書も読んでみようかな。

それではみなさま、よい週末をお過ごしください。