土曜コラム

土曜コラム 今週の読書 川村元気 記憶をテーマとした小説「百花(ひゃっか)」感想

Lily

こんにちは。

今週は川村元気さんの小説「百花」を読みました。

川村元気さんと言えば、2016年の大ヒット映画

「君の名は。」のプロデューサー。

自分の大好きな映画「モテキ」のプロデューサーでもある。

「モテキ」を観て、森山未來さんのダンスのキレに驚がくしたのも

今はむかし。(映画公開は2011年)

森山未來さんは東京オリンピック2020の開会式で踊ってましたね。

「モテキ」は U-NEXTで観れるので、また観ようかな。

この映画のヒロイン、長澤まさみさんも超絶かわいいです。



 

川村元気さんは映画プロデューサーでありながら、小説も執筆されています。

自分は、「世界から猫が消えたなら」「億男」

「四月になれば彼女は」

を読んだことがあります。

絶対に忙しい人だと思うのだが、仕事量が多い。

そして、次々にヒット作を出しているすごい人です。

 

今回の小説「百花」は、主人公の男性の母親が

認知症を患い、記憶を失っていってしまうお話です。

一方で、主人公の妻は出産を控えている。

母の失われゆく記憶と、主人公によみがえる母との記憶。

失われゆく命と、生まれてくる命。

それらを対比させながら、物語は進む。

母ひとり子ひとりで育った主人公の気持ちが切ない。

美しく、ピシッとしていた母親が、壊れていくさまに

主人公は苛立ち、つい声を荒げてしまう。

認めたくない、みっともない母の姿を人に見られたくない

そう思ってしまう自分を恥ずかしいと思う主人公。

 

でも実際そうだ。

「ちゃんとしなさい。」「きちんとしなさい。」と言われ続けた母に

「ちゃんとして!」「なぜできないのっ!?」って言わなければ

ならなくなるのは辛いです。

読んでいて、身につまされる気持ちになりました。

けっこう重いテーマだけど、これからの高齢化社会で

たくさんの人が直面することだと思いました。

 

どんどん記憶を失っていって、その人の核のようなものだけが残るとして、

それが「怒り」「疑い」であることは家族にとって本当に辛いことだろう。

できることならば、「感謝」だけが残って欲しい。

自分はそれを残したい。

 

いろいろ考えさせられる小説でした。

でも決して重いだけではなく、エンターテインメントになっているところが

さすがだと思います。

おすすめです。

 

 

それではみなさま、よい週末をお過ごしください。