こんにちは。
今週は、原田マハさんの「ハグとナガラ」を読みました。
こちらの文庫、旅をする女子ハグとナガラ(ふたりの愛称)のお話が6編入っていますが、
そのうちの3編は、色々な出版社の文庫本に既に収められていたもの。
自分的には、残りの3編がはじめて読むものでしたが、
いつものように、既読の話も、割と忘れているので、改めて読んでも
楽しめました。
仕事を持つ未婚女子ふたり旅も、親の介護や思わぬ出世などで
なかなかままならなくなったりして、身につまされました。
ハグとナガラのように、一緒に旅ができる友だちがいるのは
幸せなことですね。
自分にも、そんな友だちNがいました。
Nとは、学生時代から一緒に何ヵ国も旅をして、
別々の会社に就職してからも
盆正月でもないのに、有給休暇を合わせて取って、
いろんな国に行きました。
しかし、Nが結婚してからは、旅に一緒に行くことはなくなりました。
Nは家族と旅行に行っていましたし、
自分もひとり旅の楽しさを知りました。
でもNは、子供が中学生になる前に、3年間の闘病後、
亡くなってしまいました。
亡くなる10日前に自筆の手紙がNから届きました。
「病に勝って、もう一度ゆるよしと旅をすることが夢だったけど、
それも叶わなくなりました。」とありました。
決してあきらめるようなことを言わない人だったのに、
どんな苦しさの中で、便箋2枚にわたって、
手紙を書いてくれたのだろうと思うと、涙が止まりませんでした。
「今は弱気になっているだけだよ。また一緒に旅に出よう!」
という内容の返事をすぐに書いて出しましたが、Nがその手紙を
読めたのかどうかはわかりません。
読んでどう思ったのかもわかりません。
ハグが失業したり、人生につまづいている時に、ナガラが
「旅に出よう。人生を、もっと足掻こう。(あがこう)」
というメールをくれて、ふたりは一緒に旅をするようになる。
これは、原田マハさんの実体験をベースにしたお話のようで、
このフレーズ「人生を、もっと足掻こう。」がよく出てきますが、
自分的には、「人生を足掻く」という言葉とふたりの「旅」は
結びつかないように感じました。
「足掻く」という言葉は、もっと必死な感じではないだろうか?
ふたりの旅は、のんびり温泉に浸かったり、おいしいもの食べたり、
おしゃべりしたりと、日頃のストレスを忘れて、また頑張るための
リフレッシュ旅。
もっとしんどく、苦しいものな感じがするけどなぁ~
と思いながら読んでいました。
また、最後の話で、ふたりがメールで少しケンカのようになった時に、
ナガラがLINEでハグに画像を送ってくるのだけれど、その画像にも
度肝を抜かれました。
自分がハグなら引くわぁ~。
そのあたり、特に何の言及もなく、ハグは自分の身勝手さを反省したりするのだが、
って思うのは自分だけなんだろうか?
原田マハさんが
旅することができないこんな時期だからこそ
このシリーズをまとめて読んでほしい
と思って出された本だそうです。
ぜひ、読んでみて下さい。
旅好き女子、介護女子には特におススメです。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。