こんにちは。
今週は 宮西真冬さんの 「誰かが見ている」を読みました。
宮西真冬さんの著作を読むのは初めてです。
ってゆうか、存じ上げなかったです。
こちらの本は、2017年の講談社のメフィスト賞受賞作だそう。
知らず知らずのうちに、また、イヤミスを手に取っていたようです。
イヤミス=嫌な気分になるミステリー
イヤミスの主人公は女性であることが大半ではないだろうか。
本書の主な登場人物4人も全員女性。
- 自分の子供を愛することができない主婦
- 子供を持ちたいが、夫の協力を得られず焦るショップ店員
- 仕事を辞めたいがために結婚をしたい保育士
- タワマンに住む友人のいない主婦
といったラインナップ。
イヤミスでありがちな、自分の実際の生活とはかけ離れたことを
ブログに書いて、承認欲求を満たす人が出てきます。
そして、例によって、出てくる男性は、大概、自分勝手であり
妻またはパートナーを理解しようとしない。
そして、夫の実家は鼻もちならない人たちで構成されている。
平気で責任転嫁をしてくる嫌な同僚。
自分の思い通りにならない子供。
妊活に協力してくれない夫。
別の女の影。
クレーマー。
モンスターペアレント。
親切を装った悪意。
マウンティング。
嫉妬。
そういったものが、巧みにブレンドされて提供されています。
なかなか疲れます。
世の中にはそんなに悪意を持った人が沢山いるのだろうかと
寒々しい気分になります。
働く女性の閉そく感、出産のタイムリミットへの焦りが
リアルに描かれていると思いました。
主婦の世界はあまり知らないのですが、そのあたりも
上手に描かれているのではないでしょうか。
すごく、狭い世界で苦しんでいる様子です。
男性にも読んで欲しい。
女性たちが、どんな態度に傷つき、ムカつくか、
どんな些細なことを、嬉しく思うかが
参考になるのではないでしょうか。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。