こんにちは。
今週は原田マハさんの「たゆたえども沈まず」を読みました。
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと弟のテオの物語です。
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画家になることを目指していたゴッホを献身的に支えていた弟のテオ。
美術展などでは、「美しき兄弟の絆」のように紹介されていることが多いですが、
ちょっと待って!
厄介な兄を金銭的に支えていたテオ。
兄の才能を信じていたのかも知れませんが、画商として一生懸命働く
自分の給金を、絵の具やカンバスを買うならまだしも
酒や女に使ってしまう兄。
自分がテオなら
ギッタギタにしてやりたいっ!
人の金をなんだと思っているんだ!
人の金をなんだと思っているんだ!
と思うでしょう。
才能があれば、何してもいいんか?人としてどうなんや?
てか、才能あるんか?絵、売れてへんやないか!
てか、才能あるんか?絵、売れてへんやないか!
でもゴッホは 「絵を売るのはテオの仕事(画商だから)」と不満を募らせる。
ムカつく。
「たゆたえども沈まず」では、そんなテオの兄に対する愛情と葛藤
が描かれていて、ぐいぐい読み進むことが出来ました。
特に葛藤の部分が響きました。
テオの気持ちになって、ゴッホの身勝手さにムカつく自分ですが、
ゴッホの絵を見るためにオランダのクレラー・ミュラー美術館まで
ひとりで出かけたことがあります。
アムステルダムのゴッホ美術館にくらべて、郊外にあることから、人が少なく、
ゴッホの作品の展示室の中に、鑑賞者は自分ひとりだけ
といった状況に、
なんじゃこりゃ!マジ、来てよかった!
ココロの動かない自分のココロがすこし動いた
ほんとうにぜいたくな時間・空間でした。
ゴッホが亡くなったあと、半年もたたずに後を追うように亡くなったテオ。
今は、兄弟ならんでお墓に眠っています。
いつかお墓参りに行きたいです。
それでは、よい週末を!