こんにちは。
今週は馳星周さんの小説「少年と犬」を読みました。
馳星周さんの作品を読むのは、はじめてです。
映画化もされている「不夜城」の作者だということは知っていたのですが、
「不夜城」も読んだことはなく、なんというか、
ハードボイルド系の小説を書かれている方なのかなぁと敬遠していました。
マフィアとかヤクザとかの世界なのかな・・・のイメージ。
解説の北方謙三さんによると、そのようなジャンルを
「ノアール小説」というようですね。
割と苦手な分野です。
「少年と犬」は2020年上期、第163回直木賞受賞作。
「ノアール小説」も苦手であるが、「動物もの」も苦手なので、
と、ちょっと迷いましたが、直木賞受賞作でもあることだしで
買ってみました。
(受賞作はあまり面白くないという悪しきイメージも持ちつつ)
結果、たいへん面白かったです。読んでよかった。
とても賢い犬が、傷ついた人や、孤独な人と出会い、
ひととき寄り添いながら、南へ南へと向かう物語。
出会う人々は、男、泥棒、夫婦、少女、娼婦、老人。
その犬はなぜ南へ向かおうとするのか。
向かう先に一体何があるのか。
連作短篇小説なので、一篇一篇に主役の人間がいる。
その人々が、犬と出会うことによって、どう変わっていくのか、
どういう思いで生きるのか(死んでいくのか)。
読み応えがありました。
おすすめ。
なんとなくだが、気になったのは、犬を車に乗せるシーンの記述。
車の「荷室」に乗せることが多いのだが、
「荷室」ってなんですか?
ワゴン車の後方の荷物を載せるスペースだと思うのだが、
「荷室」なんて言葉、日常的に使わないのは自分だけでしょうか?
なんだか、はじめて見る言葉だなぁ~って思いました。
車に乗る人にとっては一般的な言葉なのでしょうか。
「荷室」に犬を乗せるという状態を思い浮かべることが
できませんでした。
それではみなさま、よい週末をお過ごしください。